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2011年5月3日火曜日

怖いよ…

ウサマ・ビン・ラディン氏が殺害され、アメリカで喜びの騒ぎが起きたことが…。
日本で死刑囚が死刑にあって、バカ騒ぎするなんてことは、ないんじゃないだろうか。
自分が被害者じゃないから、そう思うだけなのかな。

絶対悪なんてものはない、と思う。
実際にテロに踏み切った以上、その裁きは受けるべきだとは思うけど、彼がなぜテロ行為をしたのかってことも忘れてはならないはず。
息子含む家の人4人が、寝込みを襲われて殺される。
その行為がアメリカ人(の多く)にとってこれ以上とないくらいに喜ばれる。
なんか、怖い。昔、ちょっとだけアメリカにいたから、基本的にはアメリカが好きだけど、いつでも一匹狼なアメリカは、やっぱりなんだかなぁって思うこともある。

マスコミは、9.11事件以降だけでタリバンやビンラディンを語ることが多いけれど、
アメリカとタリバンの歴史は、1970年代以前から始まっていたのだから、もっと掘り下げた部分のことも伝えてくれていいんじゃないかな。
確かに自分も中学生の時、同時多発テロを生中継のテレビで見て、衝撃を受けた。
けれどそれが、本当に何の前触れもなく、起きたことなのか。
起きたことには必ず理由があって、みたいなさ。
1970年代以前からのアメリカの中東への介入が、21世紀に入ってすぐに始まったイラクやアフガンでの戦争と直接の関わりがある証拠や事実確認が取れないにしても、
偏った情報だけってのは、気持ち悪くて、やっぱりいやだ。

・ポイント
ビンラディン殺害が本当かどうかわかりませんが、どちらにせよビンラディンが既に死んでいることは間違いないはず。彼は腎臓が悪く、週に2回とか透析を受けなくてはならない状況らしかったので。
アメリカがビンラディンを殺した、という構図が大事で、テロの首謀者である彼を倒すことで今回の戦争を正当化しようとしているわけです

・歴史概要
大雑把に説明。(1970年代のあくどいイギリスさんや最近の中国の動きは省略)


1960~1970年代、アメリカは冷戦のための仲間欲しさや石油欲しさから、イランのシャー国王を手なずけた。イラン政府の外交・軍事・内政のあらゆる部門に米顧問がいる傀儡政権が続いたのだ。
そして1973年の第一次石油危機以降、イラン国内は荒れ、民衆の不満は高まり、1979年2月にシャー政権(アメリカ政権)を打倒。これを成し遂げたのが、ホメイニ率いるイスラム原理主義運動だった。(これがイラン革命)

革命後のイランでは反米意識が高まった。
このとき、イラクのサダム・フセイン(スンニ派)は、シーア派多数のイランを脅威に思い始めた。
(シーア派とスンナ派は、イスラム教の宗派で、シーア派が少数派、スンナ派が多数派。しかし、イラン・イラクでは、逆である。)
そこでイラクは、1980年、アメリカの支持を得て、イランへ侵攻した。(これがイラン・イラク戦争)

一方、時は冷戦時代。
中東情勢は、サウジアラビアなんかがアメリカ派(資本主義)、アフガニスタンはソ連派(社会主義)
ここで、アメリカの石油会社・ユノカルにはある思惑があった。
ユノカル社はカスピ海地域からアフガニスタンやパキスタンを通過してインド洋に出る石油パイプライン建設を目指していたのだ。しかし、アフガンはソ連派。
そこでアメリカは1978年ごろ、イスラム原理主義(ムジャーヒディーン)を支援し、アメリカ側へ引き込もうとした
当然ソ連は黙っておらず、軍隊を送りアフガン侵攻(1979年)
アメリカはムジャーヒディーンを兵士へと育成し、軍備等も支援。
1989年にソ連軍がアフガンから撤退すると、ムジャーヒディーンが内部対立を起こす。このときの反米派が、タリバンなのだ。(指導者はオマル氏)

つまりはアメリカ自信がタリバンに戦闘のいろはを教え、戦士へと育て上げたのだ。
2001年の同時多発テロ(これも、予期できていたとか噂が絶えない)の後、10月にタリバン攻撃。
12月ガルザイ政権をアフガンに建てた。
しかしこのガルザイという人、先のユノカル社の顧問(取締役)になっている…もうこの辺からも、胡散臭さ全開。

先ほどのイラン・イラク戦争後、イラクのフセイン政権に対しては、1991年湾岸戦争、2003年イラク戦争と続く。実は、湾岸戦争が起きるきっかけのイラクのクウェート侵攻は、最初のうちはアメリカは黙認していた。
フセイン政権とはアメリカのための人柱だったとも言えそう。(イラク戦争はテロに屈しない姿勢を示すために行われただけ。結局、大量破壊兵器なんてなく、アルカイダとの繋がりもなかった。国際法を破ったアメリカの侵略戦争だとも言われている。ただ、フセイン政権は打倒されてしかるべきな政権ではあった。)
偏った説明になってしまった気もしますが、事実として、同時多発テロで死亡した3000人の何十倍の数の人間が、アメリカの報復戦争で、アフガン・イラクで亡くなっています。テロリストのみならず、警察官や民間人も多数。

同時多発テロの遺族は完全な被害者ですが、同様にアフガン・イラクの民間人も完全な被害者であり、その犠牲の果てにビンラディン氏を殺害した…しかし彼を生み出したのも、アメリカ。

(罪と罰 A Falsified Romance(落合尚之) 1巻より)
「Q.民間人の犠牲者に対し補償の考えは?

自由と民主主義。崇高な目的の達成が流された血をあがなうだろう。」


復讐が復讐を呼ぶ、なるほどこれが円環の理ってやつか

注1.決してテロの被害者を侮辱するつもりも、ビンラディン氏を擁護するつもりもありません。不快な表現等もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

注2.他の記事でも、自分は変なとこにアンダーライン引いたり色付けたりしてますが、単色だと飽きるかなーって配慮であり、深い意味はまったくありません。あしからず。。

注3.ソ連はアフガン侵攻して勝っていません。むしろ泥沼化しただけなので、負けたといってもいいのかもしれません。今のイラクみたいな状態です。
今のイラクは、アメリカの敗北と言えますが、ビンラディンの死はイラク戦争勝利へのキーとなるはず。というか、キーにするために、殺したようなもの。
結 局イラクには大量破壊兵器もアルカイダとの繋がりもなく、国際的にはアメリカの侵略戦争だとも言われています。(国際法上、戦争をしていいのは、1.自国 の防衛のため 2.国連決議による承認 のどちらか。アメリカはテロとの戦争として、1の自国をテロから守るため、という名目で戦争を始めましたが、理屈 の通ってないジャイアン思想ですよね。)

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