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2012年7月9日月曜日

「おおかみこどもの雨と雪」感想

細田守、サマーウォーズの次は子育てもの!?

正直期待してなかったのに……

試写会、危うく感涙しそうだった!


個人的評価:大絶賛

「サマーウォーズ」や「時をかける少女」より傑作か!?(サマーウォーズ的なセカイ系があまり趣味じゃないのもあるけど)

ここ数年の劇場で見た映画の中では、「風が強く吹いている」以来の感動(/_<)



あらすじ(序盤の公開範囲までネタバレ。注!)


物語は、《狼男》と人間の《花》の間に生まれた子供、《雪》の語りで進みます。
もちろん、成長した雪の語り。

大学生の花(=宮崎あおい)は講義中、
講義ノートを黙々ととっているイケメンに、そこはかとなく惹かれます。花さん面喰い。

ちなみにこの大学、東大の本郷キャンパスと早稲田の大隈講堂をミックスさせたような大学ですよ。エッリートォ(´~`

授業後花さん、イケメンくんに「出席表出さないと単位もらえないよー」って早くもアプローチを仕掛けます。手ぇはやいぜこのビ(ry

そしたらなんと彼、「俺、この大学の生徒じゃないんだよね。目障りならもう来ないから」

ぶつかってきた子供に優しくしながら立ち去りゆくイケメンくんに、花さん、表情には出さないけど内心メロメロだぜ!

「あの、あの授業、教科書ないと難しいよ!」
などと教科書かざし、もぐりの彼をゲットハート

こうして二人で授業を受ける日々が始まり始まり。

例えば大学のメディアセンター(図書館)へ花の学生証を使って入ったり。確かに、学生証認識させた後の数秒のための間なら、二人で中に入れるよね。駅のSuicaでもがんばればできるテク。
夕日の中、「私の花って名前ね、どんな時でも花のように笑顔でいて(←うる覚え)って意味。親の葬式でも笑ってたら、親戚に不謹慎だって言われちゃって(←伏線)」


それから、やがて花さんプロポーズ。

彼「家って良いよね。(中略)帰ってきたら家族がいて」

花「私がただいまって言ってあげるよ」


うひゃーーーーーーーーーーーーーー( ̄∇ ̄*)


彼「……花、君に言っておかなきゃいけないことがあるんだ……やっぱ明日」


うひゃーーーーーーーーーーーーーー( ̄∇ ̄*)


引っ張るぅー

いや、やっぱやめた、って俺もよく使うわー。大抵、何だよって怒られるわー

もちろん引っ張った秘密は、翌日森の中で、「実は俺、オオカミ男なんだ」

陳腐な言い回しだけど、実際ここの演出はめっちゃいい!花の反応も、驚きつつ徐々に受け入れてゆく様が、ああ、純愛だわー、少女漫画だわ〜

「お伽噺のように、人を襲うこともなく、満月の夜でもない。この世界には私の知らないことがいっぱいある、と母はその時のことを語っています」
ってナレーションも、最高でした。

が、、、


直後のベッドイン


大学生避妊しろや!

狼さん、肉食でした。


と、こうして姉の雪と、弟の雨が生まれます。
もちろん自然出産、おおかみこどもを医者に見せるわけにはいかないのです。
苦しい苦しいラマーズ法
父さん、思わず狩りに出て(どこへ?)
きじ(?)を捕まえて鍋にしちゃうの。花さんの元気付けのためにな!

オオカミ男のお父さんはトラック運転手、同棲してからは大学に行かず働きまくりです。
生まれた雪にお父さん、

「将来はこの子の望むようにしてあげたい」

……まさかこれ、死亡フラグだったとは……弟出産と共に、まさかのお父さん死亡orz

しかも死に方が、
ゴミ箱行きなの(!?)
花さん、雨の中崩れ落ちちゃうの……


残された財布には、わずかなお金と免許証。
唯一、お父さんの人間としての顔が残った、遺影。
それに毎日ご飯を据えながら、
花は笑顔を作って(伏線回収)、子育てに励む決意をします。

雪は天真爛漫おてんば娘
アニメ的にはめざといけど、そこが余計にリアルで子供っぽいよね
雨はおとなしい男の子。オオカミだけど虫とかダメな子

隣のアパートに苦情を言われながら(実際うるさく思う気持ちは分かるけどね)、
子供達家の中、オオカミに変身して遊び回るから、「ペット禁止でしょ!」って大家のババーに文句言われながら、
子供達保育園に行かせられないから、ネグレクトを疑われて、児童相談所の役員に家まで押し入られそうになったり、
寝る間もなく
結論:都会じゃ育児無理!

で、山奥の田舎暮らしが始まります。


〜プロローグ終了〜


前日見た、これまた宮崎あおいの出てる「剣岳 点の記」同等の自然描写と空気感
声優ファン的には、細田守の声優の配役に文句の一つもあるのだろうけど、
宮崎あおい良かったー。何回も泣かされそうになったわぁ


子育てものだけど、「うさぎドロップ」なんかと違って出産から始まります。

おおかみこどもだけど、他はファンタジー一切無し。大自然の中の物語だから「もののけ姫」っぽさもあるけど、もっと現実ベース。

狼でもあり人間でもある雨と雪、1時間57分の中で赤ん坊から思春期に育ち、そして最後には「野性に帰る」か「人間社会に残る」かの選択をしてゆく……
すっかり感情移入させられちまったぜ……


人間との恋愛、自然の厳しさと田舎暮らしの楽しさ、子育て問題とほのぼの


2時間飽きさせない、無駄のないテンポ
邦画とかフランス映画によくある定点観測の静描写
一転、CGが効果的に使われた動きのあるシーン
鏡を使った技術的なアングルとか、
風に靡くカーテンを使った、実態とカーテンに映る影・オオカミの姿と人の姿を交互に見せる手法


ベタ褒めやー


シリアスとギャグの配分もすばらし(以下ネタバレ反転)
・都会生活期、雪がもどしちゃって、花ママ血相変えて病院へ。
 だけど右の獣医科か、左の小児科か、迷う花ママに館内爆笑。

・田舎生活期、雨が学校に馴染めずいじめにあい不登校に。
 いじめ問題発展かと思いきや、田舎の世話焼きじいちゃん「小学校のうちから学校に行
 かないなんて、見所がある。ワシかエジソン張りの天才じゃ」


あと狩りのシーンがほとんどないのもgood
やっぱ血なまぐさいシーンとか、確かに命を奪い合って生きてくのが自然の掟ってゆーけど、見ずに済ましたくなるもの。山奥に住んでるから自由に狩りに行かせたりするんだけど、花ママの教育が見る側に優しい。
「他の動物の前で威張らない」
山の主にもなれるオオカミ達への、約束事でした。


ほんっとに、すげー良い映画だったー

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