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2011年5月18日水曜日

児童文学のススメ

赤木かん子のSFセレクションで紹介されたものからいくつか。

普段漫画やSF小説を読む人には目新しさはないかもしれないけど、これはそれらの古典的役割を果たしていて、サクッと読めるよー

①「The End of the World」(那須正幹・ポプラ社) より、表題作

→作者の作品はズッコケ三人組しか知らなかった、昔よく読んだなー
核戦争後にシェルターで生き延びた家族の話。終末ものだけど、終わり方が美しい…



②「悪夢の果て」(赤川次郎・光文社) より、表題作

→赤川先生の作品はラノベ感覚だよなぁ。本当に巧くて、「ふたり」なんて大好きです。
これは短く残酷な話だけど、すっごく感動した。



③「おとうさんがいっぱい」(三田村信行・理論社) より、表題作

→お父さんが増えちゃう不条理系。選ぶ側が選ばれる側に変わるというオチの皮肉さが巧い!



④「セカンド・ショット」(川島誠・角川文庫) より、「電話がなっている」

→読み始めた時はこんな話だとは想像もつかなかった…怖すぎです。
短くて、短さ故の語り口で、うまくて恐ろしくて、エロチックな表現も良い。
子供たちの心を深く抉る作品、時にはそーゆーのも必要だよね。



⑤「時間と空間の冒険」(カート・ボネガット、岩崎書店) より、「武器なき世界」

→村上春樹、今では文学界のトップだけど、彼はこのカート・ボネガットからの影響を多大に受け、初期の作品なんかは書き方や作風が似ている。正確には、書き方はボネガットの和訳者に(確か浅倉さん)
それはともかく、この人は当時の若者にめっちゃ支持されて、僕も恩師から紹介をうけたのだけど、この作品はあまりオススメはしないかも。少し、色褪せすぎてる気がする…。「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫)がオススメです。



⑥「天使と宇宙船」(フレドリック・ブラウン) より、「ウァヴェリ地球を征服す」

→非常に上手な作品です。まとまり方、ネタ、表現、全部が高レベルで感動しました。
意思ある電波、という侵略者により、電気が使えなくなった世界。蒸気機関と馬で生活するようになった人々の生活の平和さが、なんとも現代を皮肉ってます。



⑤、⑥は「未来世界へようこそ」に収録。そこにある、日本沈没なんかの小松左京の「お召し」なんかも、結びが上手でした。

まーどこまでを児童書というべきかは曖昧だと思うけど、とりあえず大人が読んでもイケそうなものを紹介した次第っす。。

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